The world wags on. 乙女とは何? ほかの人たちはからかいそして躊躇する それこそが最も美しい乙女の為すこと かね。ごちそうさまだなジュリエット。, ジュリエット:約束したからね。破っちゃ駄目よ。, 乳母:はいはい、これで用意が出来ましたよ。まあ、可愛いお姿だこと、まるで小さい頃やった結婚式のおままごとみたいですわ。, ジュリエット:ばあや、おままごとじゃないわ。決死隊よ、決死隊。, 乳母:お願いでございます、パリスさんの前でそんなふしだらな言葉を使うのだけはおやめ下さい。ばあやの頼みですよ。一言で嫌われてしまうかも知れない。, ジュリエット:大丈夫。私の愛する人は、そんな小さな事で私を捨てたりしないから、ああ幸せに向かってまっしぐら。ばあや、行ってきます。, (ロレンス神父とロミオ。うろうろと落ち着かないロミオ。), ロレンス:少し落ち着くのだ。聖なる婚礼の儀式に、蛇に睨まれたネズミのような振る舞いは慎みなさい。主のほほえみという最高の祝福を受けられず、2人の婚礼が不幸な最後を向かえたらどうする。, ロミオ:ああ、すいません神父様。立ち止まると、この辺がそわそわとして。僕はもうどんな悲しみが押し寄せても決して怯まない。ジュリエットを妻と呼べる幸福を、どうして奪い去ることが出来るだろう。, ロレンス:焼け石に水だが聞いておきなさい。激烈な愛情というものは、感極まった花火のように、煌(きら)びやかに華開き、一刹那(いっせつな)に燃え尽きてしまう。それは芸術家の好題目だが、真の幸福ではない。お前が永久(とわ)の幸せを願うなら、もっと落ち着いて、主の御心を歌い上げるような、穏やかな愛情を奏でることだ。, ロミオ:分かります。分かります。歌い仕る御姿(うたいつかまつるおんすがた)でしょう。, ロレンス:歌い仕る御姿だと。それは一体どういう意味だ。, ロミオ:ああ落ち着かない。神父様、なんですこの沢山の乾燥した草は。教会に雑草とは不釣り合いだ。, ロレンス:今、薬を調合している最中なのだ。, ロミオ:ははあ、幸せになれない人に幸福感を与える薬ですね。, ロレンス:馬鹿を言ってはいけない。それは悪魔の管轄する薬ではないか。口ばかり先走りおって。, ロミオ:ああ、ジュリエットが来た。まだ覚めていない。昨日の夢は、やはり現実だったんだ。, ジュリエット:ああロミオ。私もすべてがマブ女王の夢で、ここに来て誰もいなかったらどうしよう。胸が張り裂けて死んでしまうんじゃないかって。, (ロミオ、ジュリエットの手を握る。), ロミオ:ほら、夢じゃない。こんなに暖かいんだ。, ジュリエット:私、ばあやを誤魔化すのが大変だったわ。, ロミオ:僕もこの服装で精一杯だった。だって正装なんかしたら、怪しまれるし、あまりカジュアルではしまりが悪いし。, ジュリエット:私も、これで大丈夫かしら。, ロミオ:綺麗だよジュリエット。橋で見た時は清楚だったけど、今日の服装はもっと華やかで愛くるしい。, ジュリエット:ロミオも、橋の時よりずっとハンサム。, ロレンス:そこのご両人、お取り込み中まことに申し訳ないが。, ジュリエット:ああ神父様、申し訳ありません。心が勝手に羽ばたいて、飛んでいるように上の空。悪気がある訳じゃないのです。, ロレンス:やれやれ、婚礼を控えた恋人達には、大司教でも話し掛けない方が良い。どんな言葉も上の空なのだから。さあ、こちらにおいで。誰もいない結婚式だが、主はお前達の婚礼を見守って下さる。エスカラス大公には、後で話を付けておこう。, (婚礼の儀式。祝福の鐘の音が鳴り響き、幕が閉じて、第2幕終了。).